edoblog_title.jpg

2011年08月10日

大会レポ『第18回 奥武蔵ウルトラマラソン』by kz

1年かけ、雪辱に成功
第18回 奥武蔵ウルトラマラソン
by kz

【雪辱を誓う】

奥武蔵ウルトラマラソンには昨年はじめて出場し、10時間40分で完走した。序盤の20kmで力尽き、残りはヘロヘロと歩いた。あまりにも情けない結果だったので、1年かけて脚を鍛え、雪辱することを心に誓った。

私は上りが極端に弱く、下りは得意だ。上りではすぐに息が上がり、歩いているのと変わらないスピードになってしまう。下りは重力に身をまかせて気持ちよく飛ばせる。上りの脚を鍛え、奥武蔵ウルトラマラソンを私にとって最高のレースに変えることがこの1年間の課題だった。

何度も奥武蔵に足を運び、試走を繰り返した。自宅周辺でわずかな坂を見つけて走った。ランジも続けた。しばらく成果が出なかったが、今年の春頃に好調の大波がやってきて、上りもそこそこ走れるようになってきた。

【作戦】

012.JPGそんな状況で迎えた今年のレース。直前に発行された「シゲ通信 vol.6」を参考に、こんな作戦を立てた。

・鎌北湖までの序盤はゆっくり走る。
・鎌北湖から飯盛峠までの上りは歩く。
・飯盛峠から普通に走り、遅れを取り戻す。

鎌北湖から飯盛峠までの上りは歩く、というのが最大のポイント。試走で何度も走っているが、一番きつい区間なので思い切って捨てることにした。

もうひとつ、昨年の反省を踏まえた準備として、「ザバス エナジーメーカー ゼリー」「ザパス ピットイン リキッド」「グリコ ワンセコンドBCAA」とゼリーを三つ携帯した。昨年のレースでは、序盤にエイドでおにぎりを食べたら脇腹が痛くなり、以後のエイドでフルーツだけとっていたら終盤に空腹で燃料切れとなった。そこで今回はゼリーで空腹を避けることにした。スタート前の朝食も少し多めに、おにぎり3個、ハンバーガー1個、カロリーメイト1箱。

目標は9時間。昨年のタイムを1時間40分短縮する必要があるが、失敗の経験を活かせばなんとか達成できるはずと考えた。


【鎌北湖まで】

鎌北湖までの序盤は、作戦通りに抑えて入った。抑えるといっても、私の場合は坂道でペースを調整することはほとんどできない。上りで抑えると歩くのと変わらなくなってしまうし、下りは重力に身を任せた走りなので抑えるとかえって無理が生じる。そこで、平地部分でスピードを落として疲労回復することにした。

残念ながら天気は晴れ。熱中症に気をつけなければならない。エイドごとに頭から水をかけてもらった。首筋に氷水をかけてもらうと暑さでボーッとなった頭が生き返る。

昨年のレースでは、序盤の上りを走っていたら歩いている人に抜かれ、一気に戦意喪失した。今年は下りでも上りでもゴボウ抜きし、元気な状態で鎌北湖に着いた。昨年のタイムの大幅更新を確信した。


【往路飯盛峠まで】

鎌北湖からの飯盛峠までは、上りは完全に歩いた。走れないことはなかったが、調子に乗ってはいけないと思い、作戦を守る。ユガテのあたりでタムさんに抜かれたが、気にせず見送った。

上りは歩きといっても、なるべく早歩きにして、歩いている人には抜かれないように努めた。ときどき走ってみて、脚が生きていることも確認した。上りは歩いて下りだけ走る、という形は昨年と同じだが、内容はまったく違う。昨年はつぶれて走れなくなっただけだが、今年は後半に備えた作戦だ。

飯盛峠にはスタートから4時間半弱で到着。37.6km地点だから、同じペースで走るとタイムは9時間を超えることになる。しかし下りで飛ばせば目標達成は十分可能だ。


【復路飯盛峠まで】

okumusashi20110807b.jpg飯盛峠から先は上りも走った。脚は完全に生きていて、ガンガン行ける。とはいっても先は長いので、上りで息があがってきたら歩きに切り替えた。無理するな、調子に乗るな、と自分に言い聞かせた。

シゲさんを先頭に、折り返してくる江戸一のメンバーとすれ違い、ハイタッチで元気をもらう。折り返し前、最後にすれ違ったのはタムさん。復路のどこかで追いつけそうだ。

折り返し地点のエイドではカキ氷を美味しくいただいた。昨年は折り返しに着いたところで脚がガチガチに固まっていたのに、今年はぜんぜん平気だ。

復路の最初のエイドで元気そうなイチロウさんに会い、「タムさんがさっき行ったよ」と教えてもらう。よし、と気合を入れ、次のエイドでタムさんに追いついた。タムさんの前は智さんで、はるか先なので、もう誰にも追いつけない。

飯盛峠のエイドには6時間35分で到着。練習では鎌北湖まで1時間50分ぐらいで走れているので、そこからゴールまで3km、20分弱、と考えると、なんとか9時間切りを達成できそうな感じになってきた。


【ラストスパート】

okumu2011_055.jpg最後に気をつけなければいけないのはアクシデント。脚がつったり、転倒したりして走れなくなったら大変だ。もう飛ばさなくても目標達成できそうなので、無理せず走る作戦を維持した。最後のユガテの坂もほとんど歩いた。

江戸一RCが担当する清流エイドには8時間ちょっとで到着。残り約5km、7分/kmで走っても8時間40分、と計算していたら、ゆーりんさんに「江戸一のメンバーの中で5番目だから、団体戦に入っている」と言われた。エッと驚いたが、私のタイムが江戸一RCの順位に影響するのであれば責任重大だ。残り5kmは安全運転ではなく、全力で行くしかない。

走りながら私の前にいるはずの人を数えてみると、シゲさん、カズさん、タケさん、しーさん、智さんの5人。誰かリタイアしたのかもしれない、と考えながら飛ばす。ゴール後、私が5番目だというのは間違いだったことがわかった。誰もリタイアしていなかった。

ともあれ、まだ生きていた脚をフルに使い、最後の下りを駆け下りた。最終盤なのに歩いている人はほとんどいない。私を抜いてサーっと駆け下りていった人をターゲットとし、ペースアップ。平地に入ったところで思い切ってギアチェンジしてみたら、身体のどこかから未知の力が湧いてきた。昨年の終盤は上りだけでなく平地でも走れなくなり、トボトボ歩いた道。今年は正反対で、体感ではインターバル走なみのスピードを出せた。このラストスパートの絶好調感は中学の陸上部時代以来。自分の身体に神が降りてきたような感覚だ。まさかまた体験できるとは!

DSCF2204.JPGターゲットにした人には追いつけなかったが、引っぱられる形で直後にゴール。8時間25分で、目標を大幅に超過達成することができた。

【勝因と今後】

今回の一番の勝因は作戦だと思う。きつい上りを敬遠し、終盤に脚を残す作戦が完全に当たった。何度も試走を繰り返したおかげで正しい作戦を立てることができた。

もちろん一年かけて上りの脚を鍛えたこともある。緩い上りならそこそこ走れるようになり、苦手意識がだいぶ薄れた。諦めないで努力してみるものだ。

私は下りで飛ばすのが何より楽しい。今回はそれに加え、緩い上りでもごぼう抜きできるようになった。今後さらに上りの脚を鍛え、いずれは奥武蔵ウルトラマラソンの全コースを歩かずに完走してみたい。
posted by 江戸一RC at 05:11| Comment(4) | 大会レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一年がかりのリベンジ成功、本当に素晴らしかったです。
直前の高尾山での上りの走りを見てかなり成長されていると思ってはいましたが、まさかここまでとは恐れ入りました。
ウルトラは作戦もとても重要ですよね。
それをしっかり実践出来たのも勝因だと思います。
秋以降のロードレースの躍進にきっと繋がりますよ。
お疲れ様でした。
Posted by シゲ at 2011年08月10日 19:35
長い距離のレースはレース当日の戦術が結果を大きく左右しますね。今回のkzさんの作戦と実行力は見事です。
理性とセルフコントロール次第で、自分よりも強い人に勝てるのがマラソンの面白いところですね。
Posted by joe at 2011年08月13日 16:11
kzさん、かなりの記録短縮おめでとうございます。私の間違った情報が最後に火を付けたようでこれはご愛敬で許してね。作戦成功バンザーイ!
Posted by ゆーりん at 2011年08月15日 16:35
シゲさん、joeさん、ゆーりんさん

コメントありがとうございます。今回は二度とない会心のレースになりました。そこを見計らって大会レポートを依頼してくれたNogaさんにも感謝しなければなりません。
Posted by kz at 2011年08月16日 07:38
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: