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2011年05月07日

大会レポ『バンクーバーマラソン その2』by たぁ

【レース本番】
朝、目が覚めてまずカーテンを開けて天気を確認した。海の向こうの山のシルエットがくっきり見える。快晴。テレビの天気予報では最高気温が15℃、最低気温が6℃。10年連続参加されている方が「最高の気候」と言い、10日間の日程で旅行に来ている方が「最高の天気」と言う、絶好のコンディションに恵まれた。

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6時にホテルを出て、徒歩で30分ほどで大会会場へ。近づくに連れて人の流れがどんどん増え、気持がどんどん盛り上がる。ゲートの外から、「Marathon photo」のカメラマンたちがいて、ナンバーを見せると写真を撮ってくれる。私は上下ともウィンドブレーカーを着ていたけれど、現地のランナーさんたちはTシャツやタンクトップの人も多い。寒くないの?と見ているほうが心配になるくらい。

会場に日本からのマラソンツアー専用のテントが並んでいる一角があり、すでにたくさんの日本人ランナーさんがいて準備していた。日本をアピールする趣向を凝らした衣装の方もいて、見ていて楽しくなる。
クリールの樋口さんと会い、他の当選ランナーの山崎さん、廿千さんと一緒にスタート前の写真撮影。「頑張るぞー!」とガッツポーズ姿。私以外の2人の方はそれぞれ2時間台、3時間台を目指すとのこと。レース後にはすぐに座談会の予定がある。あまり長くお待たせしては・・・と5時間を目標タイムとすることに。樋口さんは「先に行ってるから、どこかで見つけて走ってる写真撮るからね」と。バンクーバー在住の廿千さんからは「こんなに絶好のコンディションはそうそうないですから、景色を楽しんで写真撮りながらゆっくり走ってきてください」と。そのお言葉に甘えさせていただくことにした。「ぜひ笑顔でゴールしてください」と言われ、それを何よりの目標にしようと思った。

午前7時半、フルマラソンのスタート。スタート地点に10分くらい前に行ったけど、なんかゆるゆる。かなり後ろのほうに位置したつもりだったけど、それでもスタートゲートが十分見える。ロスタイム2分半くらいでゲートをくぐれてしまった。とにかくキロ7分より速くも遅くもならないようにして、行ける所まで行ってみようと思った。


中華街を抜けて一旦南下してからグランビル方面へ。折り返しを終えたトップランナーがやってくると、ランナーからも大きな声援が起こって大盛りあがり。来た道を戻ってもう一度中華街を抜け、スタート地点を見ながら陸橋に上がる。ここからは静かな住宅街。この辺りからアップダウンが気になり始める。見た目は大きな起伏ではないけれど、走ってみると脚にくる、葛西臨海公園のグルグル走の時のアップダウンに似た感じ。それがダウンタウンの中もずっと続く。「後半の坂道は覚悟しといたほうがいい」との情報は持っていたけれど、前半にここまで疲れを感じるとは予想していなかった。

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スタンレーパークに入り、20km地点を過ぎたときにはすでに太腿が筋肉痛になりかけていた。公園内の登り坂を見た時点で目標を5時間から完走に変更。上りは捨てて歩くことにした。今思い返してみると、この公園の中が一番きつかった。行っても行っても坂が出てくるし、応援は少ないし。この後さらにどんなコースがあって、脚がどこまで持つのか予想ができず、完走への不安がよぎった。

それでも景色はとてもよかった。海を挟んでダウンタウンが見えたり、まるで森の中に迷い込んだかのようなうっそうとした木立の中へ入っていったり、まったく飽きない。毎週末、こんなところでLSDができたら幸せだなあ、と思った。カナダのランナーたちはかなり速いという話を聞いたけれど、日ごろからこうした環境で練習できているからなのかもしれない。

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公園を抜けると、視界に海が広がる。イングリッシュベイ。壮大さに惚れ惚れ。道も平坦になり、沿道の応援も増え、走れる時間が長くなって息を吹き返した。1度目のバラードブリッジを渡り、キツラノへ。ここはおしゃれな住宅街。
30km地点を過ぎるころには、周りには歩いている人の割合がかなり多くなっていた。できるだけ走って、上りや腿の疲れが強くなったら少し歩き、回復したらまた走って、というのを繰り返していた。ゆっくりでも走り続けていると沿道から声援と拍手がもらえ、それに応えて手を振っていたらさらに応援が大きくなりハイタッチが増え、それがもう嬉しくて楽しくて。
32kmの看板が見えたとき、ふと、「あと10kmでこれも終わっちゃうのか」とさみしくなり、あふれそうになる涙を必死でこらえた。走り出したきっかけ、今のチームに入ったこと、走れなかった時期のこと、今回の企画に当選したこと、この街を、このレースを走れる機会に恵まれた様々な縁のありがたさなど、いろんな思いが頭の中を廻った。脚さえもってくれるなら、このままいつまでもどこまでも走り続けていたいと思った。生まれて初めての気持ちだった。

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2回目のバラードブリッジのピークを過ぎれば、残り2kmで街中に戻ってくる。ランナーが走ってる車線はまだ通行止めだけど、横切る道は解除されている。ランナーが通るたびに警察官が車を止めて優先して行かせてくれる。ちょっとした優越感。

フィニッシュラインが近付くにつれて沿道の観客が増え、すでに完走メダルを首にかけて帰途についているランナーも「あともう少しだよ」と声援を送ってくれた。そういえば樋口さんはどこにいるんだろう?走っている写真を撮ると言ってたから、樋口さんに会うまでは元気でいなきゃと頑張ってきた。どうなるのかな?と思ってたら、フィニッシュラインの数百メートル手前に赤いウェアを発見。大きく手を振った。私をみつけた樋口さんの一言目が「あ〜、よかった〜っ!」だった。予定の時間より30分遅かったので心配をかけてしまった。すみません。

しばらく樋口さんと並走。写真を撮られてながら走るのはちょっと照れ臭かった。青いゲートが見えて、ああ、終わっちゃう、終わっちゃう、とカウントダウンしながら、ゴール。すぐに完走メダルを首からかけてもらった。泣くかと思ったけど、涙は出なくて、ただただ満足感でいっぱいだった。

記録はグロスで5時間32分50秒。前回から42分更新しての自己ベスト。本当にこの上なく楽しくて幸せな42.195kmだった。

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【日本のレースとの違い】
いろいろあるけれど、主なところでは
- エントリーが1年中OK。Expoで前日まで受け付けてくれる。思い立ったときに参加できる気軽さがある。
- エイドに食べ物がまったくない。水、スポーツドリンクと、ジェルのみ。途中、一度だけカップに入ったグミみたいなものをもらった。こちらのジェルは固くて甘くて合わないと聞いていたので、日本から持って行ったZAVASのジェルを少しづつなめて、それで最後までもってしまった。
- ペースメーカーがイーブンペースじゃない。設定タイムのイーブンタイムより少し速いペースで走り、時折1分程度の歩きを交えていた。後で聞いたところによると、筋疲労の回復を重視しているのでは、とのこと。

【ラン仲間】
レース中に顔見知りになった日本人の方々の存在がとても心強かった。スタート地点で知り合ったマコトさんとノリコさんは、ずっと私と同じようなペースで、抜きつ抜かれつを繰り返し、そのたびに声をかけたりハイタッチしたりした。マコトさんが初マラソンで、ノリコさんが伴走。ノリコさんは「ストレッチすると疲れが違うよ」「息をたくさん吐いたらたくさん吸えるよ」とタイムリーなアドバイスをくれた。

マエダさんはこれが4回目のバンクーバーで、コースなどは知りつくしているとのこと。今回は日本からのメッセージを伝えるため、2000羽の折り鶴を持って走ってた。颯爽と駆け抜けていっては、沿道に飛び込んで観客に、時にはレストランの中にまで入って鶴を渡して人気者になっていた。「まだまだ行ける!」「粘れてるよ!」と度々声をかけて励ましてくれた。

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【沿道の応援】
所々で演奏による応援があって楽しかった。音楽が聞こえると元気になれた気がする。
沿道からの声援でよく聞こえたのはKeep going! / You’ re doing great! / You are marvelous! / Good run! など。The sun is shining for you! というのもあった。ランナー全員に向けてのリスペクトが感じられて、心地よかった。


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【レースの後】
ランナーステーションに誘導され、そこで黒いサックを受け取り、その中に食べ物を入れていく。リンゴ、バナナ、マフィン、クッキー、ゆで卵など。テント前に戻り、3人でもう一度、今度はメダルを手にしてレース後の写真撮影。

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会場の外に出てタクシーにのり、一旦ホテルへ。大急ぎでシャワーを浴びて汗を流し、30分後にはもう一度タクシーに乗ってダウンタウンの外の日本料理店へ。現地在住の日本人ランナーの方々の打ち上げ会場に合流して一緒に乾杯させてもらい、一息ついたところで座談会開始。レースやバンクーバーの街について30分ほど話し合った。こちらの様子はクリール7月号(5月21日発売)で掲載される予定。

その後、スカイトレインでダウンタウンへ移動し、ブリティッシュコロンビア州観光局主催のフィニッシャーズパーティに参加。ここでは金哲彦さんが走りながら撮った写真のスライドショーを見たり、レースを振り返ってのインタビューを受けたりした。ここでノリコさん、マコトさんやマエダさんと再会。マエダさんが「前半で疲れちゃってた時はどうなることかと思ったけど、後半良い粘りしてたね。走ってるペースは全然落ちてなかったよ。」と自分でもそれが嬉しかったし、大きな収穫だったと思う。金さんの著書を購入して、サインを頂いた。

ノリコさん、マエダさんをはじめ、たまたま一緒に話していた5人がみんな5時間半前後でゴールしていたことがわかり、大盛り上がり。そのメンバーを中心にそのまま2次会へ。食事しながら楽しくおしゃべりした。

いつまでもいつまでも余韻にひたっていたかったけど、翌日には帰国。バンクーバーは朝から雨。一日違いのことで街の様子がまったく違う。ホテルのロビーで見送りに来てくださった樋口さん・斎藤さんが「去年はこんな感じだったんだよ。だから応援も少なかったし、レースの雰囲気も全然違った」と。改めて幸運に感謝した。

たくさんのいい思い出ができたし、関東以外のラン仲間ができた。今まであまりなじみのなかった遠方の大会に誘ってもらったり、他の海外マラソンに興味が出てきたり、世界が格段に拡がった。本当に、本当に貴重な経験をさせていただいて、ありがとうございました。完走メダルは一生の宝物にします。

バンクーバーマラソン、次の機会には、しっかり体幹を鍛えてLSDで脚をつくって、しっかり最後まで走りきりたい。来年の開催日は5月6日。すでにエントリーは始まっている。どなたか、一緒にいかがですか?

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posted by 江戸一RC at 09:58| Comment(7) | 大会レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Dear たぁさん
バンクーバーマラソンお疲れさまでした!
現地で仲良くさせていただいた、宮崎在住の真由美です。
たぁさんのおかげでさらに素敵な思い出となりました。ありがとうございました。
楽しくブログを読ませていただき、私のことまで書いていただきとても嬉しかったです。
写真が出来上がったら私もジョグノートの登録し、その時はプロポーズさせていただきますので承認をお願いいたします!

Posted by 黒木真由美(宮崎在住) at 2011年05月07日 17:25
いやぁ、良いレポートでした。
海外マラソン参加したくなっちゃいましたよ。
市民ランナーとして素晴らしい体験が出来たこと羨ましく思います。
大学の卒業旅行で初めての海外を経験したのがバンクーバーなので僕にとっても思い出の地です。当時の光景を思い出しています。
お疲れ様でした!
Posted by シゲ at 2011年05月07日 20:02
たぁさん、完走おめでとうございます。
私はバンクーバーへ行ったことはないけれど、とても美しいところだと聞いていましたので気持ちよく走れるだろうなと思っていました。
短い期間でもマラソンを通して素敵な人たちと知り合い、バンクーバーの魅力をいっぱい味わってきた様子がレポートから伝わってきました。
あ〜坂が次々出てくるコース、走ってみたいな。
Posted by しー at 2011年05月09日 15:09
Posted by しー at 2011年05月09日 15:11
たぁさん、完走おめでとうございます。
私はバンクーバーへ行ったことがないけれど、とても美しいところだと聞いていましたので気持ちよく走れるだろうなと思っていました。
短い期間でもマラソンを通して素敵な人たちと知り合い、バンクーバーの魅力をいっぱい味わってきた様子がレポートから伝わってきました。
あ〜、坂が次々出てくるコース走ってみたい。
Posted by しー at 2011年05月09日 15:13
まゆみさん、どうもありがとう!ゴール後会えなくて残念でした。
目標通りの5時間切り、おめでとう!!やったね。
ジョグノートの登録、お待ちしています。
もっと近ければ、会っていろいろ話せるのにね。
青島太平洋、前向きに考えてみるね。

Posted by たぁ at 2011年05月09日 22:06
シゲさん、しーちゃん
どうもありがとう。ジョギングするようになって、ジョグノートつけ始めて、江戸一に誘ってもらって入会して、みんなの励ましで続けられて、と、自分を支えていてくれる縁に改めて感謝しました。そして外にまた仲間が増えて、本当に幸せな経験をさせてもらいました。
バンクーバー、いつか一緒に行けたらいいな。
Posted by たぁ at 2011年05月09日 22:12
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